日本税理士会連合会の調査(2014年1月時点)によると、全国にいる税理士のうち過半数が60代以上となっています。
70代が13.3%、80代が10.4%を占めていることから、会計事務所の業界全体で高齢化が進んでいると言えます。
また、転職サイトの「マイナビ税理士」によると、2009年から2018年にかけて、税理士試験の受験者数および合格者数はともに減少しています。

2009年〜2018年における受験者数、合格者数の推移は以下のとおりです。

受験者数(延人数)：74,547人→42,063人
合格者数(実人員)：8,174人→4,716人

なお、直近2020年には受験者数は40,000名台を切り、36,845名となりました。
一方、合格者数は5,402名と5,000名台に回復しています。
国税庁のデータを確認すると、過去20年間における税理士の登録者数は増加傾向にあります。

以上の情報をみると、現時点では税理士数が減少していないため、業界全体での人材不足は発生していません。

また、最近では若い経営者が増えているのもあり、若い税理士に対するニーズが大きくなっています。
会計事務所業界では、税理士の高齢化および税理士試験の受験者数減少により、今後人材不足が大きな問題となる可能性があります。

そのような状況において、M&Aを行うことでいち早く優秀な人材を確保する戦略は非常に有効になります。
また、売り手側にとっても後継者不足や経営の安定化を実現できるM&Aは有用な手段となり得ます。売却収入を獲得し、悠々自適なリタイア後の生活を送れる可能性もあります。
このように買い手・売り手にとっても会計事務所のM&Aは有効な選択肢となります。